海外旅行

盗まれたパスポートが戻ってきた!本当にあった奇跡の物語「前編」

今までの人生で一番大きな失態をしました

2014年から2015年に変わる10分ほど前に、私はパスポートを盗まれるという、大きなやらかしをしてしまいました。

しかし、そこからあらゆる奇跡が重なり、パスポートは無事に手元に戻ってきたのです。海外で盗まれたはずのパスポートはどうやって戻ってきたのか?これは本当にあった奇跡のような体験談です。

 

カンボジアでHappy New Yearを迎えるはずだった

アンコールワットの朝日

2014年12月31日、事件は起きました。

昔から海外で年越しをするのに憧れていた私は、カンボジアの「アンコールワット」で初日の出を見たいと思い、女友達と2人旅に出掛けました。

カンボジアには以前行ったことがあり、治安もそんなに悪くなかったイメージがあったので、カンボジア人はみんな優しい。そんな風に完全に油断していました。まさかこの旅でパスポートを盗まれることになるとは…その時の私は予想もしていませんでした。

カンボジアでカウントダウンを迎えることなんて滅多にない機会なので、どうせなら人が集まる場所へ行こうということになり、「ナイトマーケット」という「シェムリアップ」の中でも一番賑わっている蚤の市に行きました。カウントダウンまで少し時間があったので、屋台を回ってご飯を食べたり、ひたすら値切りをしながら洋服や雑貨の買い物をしていました。

▼カンボジアってどんな国かを知りたい方におすすめの映画

2014年12月31日23:50

ナイトマーケット

2014年もあと10分で終わりを迎えようとする頃。そろそろ買い物を切り上げて花火の見える場所に移動しようかと話していた時、ふとリュックを見ると、パスポートを入れていたはずの場所のチャックが開いていました。

「あれ?ちゃんと閉めたはずなのに。。。」

嫌な予感がしたので中を覗いてみました。
すると、予感は的中!あったはずのパスポートが無くなっていました。

 

Bad New Year!

落胆している様子
「パスポートがない!」

一瞬自分の置かれている状況が分からなくなりました。友達にパスポートが無くなったことを伝えると、「部屋に置いて来たんじゃないの?」と言われ、我に返りました。

「そっか!リュックに入れたと思ったけど、部屋に置いてある可能性もあるか!」一旦落ち着きを取り戻します。パスポートの件は一旦置いといて、カウントダウンを楽しむことにしました。

 

シェムリアップで迎えたカウントダウンは、想像していたものと違って意外とシュールでした。花火もすぐ終わるし、かと思えば15分後にもう一度花火が上がるというよく分からない演出でした。

その日は移動で疲れていることもあり、足早にホテルへと向かいました。ホテルに戻って、早速部屋の中や荷物を漁ってパスポートを探すけど、どこを探しても見つかる気配がない。

やっぱりパスポートは盗まれてしまったのだとこの時確信しました。このままでは日本に帰ることができない。「どうしよう。お金を盗まれたならまだ対応できるけど、よりによって一番大事なパスポートを盗まれてしまった。」

やってしまった。どうすればいいんだろう。

その言葉が頭の中をループし続けます。2015年始まって僅か一時間もしない内にどん底の絶望感を味わうことになりました。

▼盗難防止グッズ

絶望から立ち直る

起こってしまったことはどうしようもできない。じゃあこれからどうすればいいか前向きに考えよう。世界一周経験者でもある友達に、この後どうすればいいか聞いてみようと日本へ電話をかけました。

電話を掛けてパスポートを盗まれたことを伝えると、まさかの大爆笑。こっちは絶望的なのに・・・。

「あれ?でもパスポートを盗まれたことって意外と美味しい話なのかもしれない。」爆笑されたことで自分の気持ちも少し楽になり、絶望感から解放されることができました。

「とりあえず大使館に行ってパスポートを再発行しに行くべきだと思うよ」とアドバイスをもらいました。

カンボジアの大使館は首都「プノンペン」にあります。私がいた場所が「シェムリアップ」という都市なので、日本に帰る為にはまず「プノンペン」に移動しないといけません。

飛行機の写真

帰りの便は1月1日21時のシェムリアップ発⇒プノンペン着でした。幸いにもプノンペン経由で日本に帰る飛行機だったので、まずは第一関門クリアと言ったところです。大使館に行く前に警察署に行ってみようと友達に提案され、まずは警察署に行くことを決めました。

現在時刻2:30

次の日(1月1日)はアンコールワットの朝日を見たり、近くの遺跡観光ツアーを取っていたのですが、ツアーどころじゃないと思いキャンセルを考えましたが、せっかく来たのだから今回の目的「アンコールワットで初日の出を見る」だけは達成したいと思いました。

ツアーは4:30出発。ということでその日は眠りにつきました。

 

アンコールワットから見る初日の出

アンコールワットの朝日

2015年1月1日

アンコールワットで迎える初日の出!6時頃朝日は昇り始めました。多くの人が初日の出を待ちわびています。パスポートを盗まれたことなんて忘れて写真を撮って遊んでいました。

そもそも初日の出をまじまじと見たことがこの時初めてだったのかもしれません。アンコールワットで見る初日の出はとても神秘的で、カンボジアに来た甲斐がありました。

さぁ目的も達成できたので気持ち良く日本に帰れます。これでパスポートのことに専念出来ます!

 

海外の警察署に初めて行ってみた

警察官

初日の出を見た後ひとまずホテルに戻り、朝食を取りながら、今後の流れを友達と打ち合わせしました。「まず昨日パスポートを盗まれた場所に行って、落ちていないか確認しよう」

そこから現場に向かい、歩いた場所を辿りながら探しますが、そんなに世間は甘くありません。やはりどこを探しても見付からない。「もしかしたらあるかも」と言う期待感は完全に裏切られてしまいました。

「やっぱり見付からないね」「もしかしたら心優しい人が拾って、警察署に届けてくれてるかも」

そんな希望を持って警察署に向かうことにしました。

 

警察署なんて免許更新くらいでしか訪れたことがない優等生だったので、日本でもお世話になることはありませんでしたが、まさか海外でお世話になるなんて・・・とても貴重な体験ができました。少しワクワクしながら警察署に入ります。パスポートが届いていないか、英語ができない2人はあらゆる知識を振り絞り必死に片言英語で伝えます。

「I’m Passport lost.」

必死に訴えます。

▼海外に行く前に英語を勉強しよう

しかし「ここには届いていないよ。」みたいなニュアンスの返事ばかり。周りを見渡すと、他にもパスポートを盗まれた人が数人いました。中には日本人も。「よっしゃ!パスポート無くした人は自分だけじゃないんや!

ここで変な心強さというか安心感を抱きました。そんな場合じゃないんですけどね。こんな状況でもボジティブに考えられる自分の性格が少し役立ちました。

「パスポートは届いてないけど、もし届け出があったら連絡するよ」

国内線とはいえ、プノンペンに行く飛行機に乗らないと行けなかったので、「パスポート紛失届け」みたいなものを書いてもらいました。無事に見つかることを祈り、警察署を後にします。

タ・プローム

そして、飛行機の時間までしばらく空いていたので、ツアーで行く予定だった、「アンコールトム」「タ・プローム」を観光しました。もうこの時にはカンボジアに残る気持ちでいたので、「プノンペン」で何をしようかと頭の中で妄想していました。

友達は私を残して一人で帰ることを本当に申し訳なさそうにしていました。私以上に心配していたのに、当の本人は意外とあっさりしていました。本当に能天気というか、お気楽者な私でした。

でも、ここから奇跡の物語が始まったのです。

盗まれたパスポートが戻ってきた!本当にあった奇跡の物語「後編」

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ABOUT ME
RORO
フリーランスのライター。大学卒業後、ピースボートで世界一周の旅に出る。「ソトコトオンライン」で連載記事執筆、「TABIPPO.NET」でイベントレポート執筆・編集を行ったのち、現在はSAGOJOライターとして活動。半農半Xを目指し農ある暮らしを取り入れ中。これまでの経験をもとに「自分らしく生きる」をテーマとしたコンテンツをお届けします。