捨てないパン屋特集

捨てないパン屋は旅するパン屋

広島市にあるパン屋「ブーランジェリー・ドリアン」の店主・田村陽至さんは、午前中だけ働いて、夏には1ヶ月のバカンスを取るという、日本にはあまり浸透していない働き方をしています。

 

ヨーロッパの働き方を真似しながら、「捨てないパン屋さん」として活動をしている田村さんの今までのルーツを辿ってみると、そこには旅が関係していました。

実際に田村さんに会いに広島に行って話を聞いてきたので、インタビュー形式で紹介していきます!今回は旅の思い出について紹介します。

 

 

田村 陽至(たむら ようじ)
広島市南区生まれ。北海道や沖縄で山ガイド・環境教育の修行後、モンゴルに2年間滞在し、エコツアーを企画。2004年からパン屋「ドリアン」を経営。2012年に1年間休業してフランスで修行。

 

旅するパン屋さんのこれまでの旅

−−今までの旅で印象に残っている国や思い出に残っているエピソードはありますか?

一番最初に行ったのがインドだったのでインドか、住んでいたのはモンゴルが一番長いのでモンゴルも印象に残っています。

でも、一番好きなのはスペインの巡礼かもしれないですね。あれは毎年行ってもいいなーって感じですね。もうずっと巡礼していたい。

 

−−初めて行ったインドではどちらに行かれたんですか?

インドは17歳の時に行ったんですけど、英語が分からなかったので、気付いたらカシミール地域に連れて行かれてたんですよ。

カシミールは今も紛争中なので、バスの横を戦車が走っています。

 

バスの前を走っている軽トラの荷台に機関銃を持った兵士が立っていて、ずっとこっちの方を狙っているんですよ。

これ引き金引いたらみんなやられるじゃんとか。そういうところに行ったからやっぱりショッキングでしたよね。お守りに帰らせて下さいってお願いしました。

 

−−それは一人旅だったんですか?

部活をちょうど辞めてしまったタイミングで時間を持て余していた時に、タモリさんの旅番組で、どこかの会社の社長さんが「新入社員が入ったらインドへの航空券を渡して1ヶ月滞在させる」って言ってたんですよ。

ひと月経ったら顔が変わるんですよみたいな話をしてて、面白そうだなと思って親にその話をしました。

 

そうしたら、いつの間にかうちの母親が親族全員に「インドに行く」ってことを言いふらしてて、もう引くに引けない状態になってました。本当はだから行きたくなかった。笑

 

その後で友達に聞いても、あの時のお前は1ヶ月くらい前から顔が死んでたよって。全然ワクワク感のない旅立ち。周りはみんな楽しそうなんですよ。

空港とかはみんな家族とかカップルとかで並んでるんですよ。自分だけどんよりしていました。

 

捨てないパン屋さんの原体験・モンゴルでの旅話はこちら。
捨てないパン屋さんの旅「モンゴル編」

ABOUT ME
RORO
フリーランスのライター。大学卒業後、ピースボートで世界一周の旅に出る。「ソトコトオンライン」で連載記事執筆、「TABIPPO.NET」でイベントレポート執筆・編集を行ったのち、現在はSAGOJOライターとして活動。半農半Xを目指し農ある暮らしを取り入れ中。これまでの経験をもとに「自分らしく生きる」をテーマとしたコンテンツをお届けします。