ピースボート

地球一周の船旅「ピースボート」乗船者の体験談

2011年4月24日、人生を変えるほどの大冒険がはじまった。小学生の頃「ONE PIECE」を読み本気で海賊になりたいと思った私の夢が叶う瞬間までもう少し。あの日は晴天に恵まれ、スーッと吹いた風が私の背中を押してくれるような気がしました。

お宝を求めて海賊が航海をするように、たくさんの仲間と地球一周できる現実が目の前にやってきてドキドキとワクワクが止まらない!ピースボートで地球一周した経験は今も私の糧となり、あのときの体験が今の私を作っている。この記事ではピースボートに乗船した私の体験談を赤裸々に綴っていきます。

ピースボート地球一周の船旅
無料で資料請求はこちら!

地球一周の船旅「ピースボート」とは

私は2011年4月に出航した73回クルーズと2017年春ショートクルーズに乗船したことがあります。最近は知名度も上がってきて「ピーズボートのこと知ってる?」と聞くと、6~7割くらいの人が知っていると答えてくれますが、2011年頃はピースボートの噂も悪いものばかりで、煙たがられることも。

ピースボートは1983年に設立された国際NGO団体で、100回以上のクルーズを実施してきています。年に3回地球一周とショートクルーズを運行し、約3ヶ月で20近くの寄港地を巡り、世界遺産や観光地を訪れ現地の人たちと交流を行うこともあります。
※現在は新型コロナウイルスの影響で運行中止です。

ピースボートがめざすもの、それは船旅を通じて、国と国との利害関係とはちがった草の根のつながりを創り、地球市民の一人として、平和の文化を築いていくことです。

地球一周の船旅の運行だけではなく、支援物資を集めて届ける活動、東日本大震災や熊本地震の際なども現地でボランティア活動を行なっています。

ピースボート公式サイト

ピースボートに乗る前に知っておきたい知識

ピースボートの期間とルート

今まで100回以上のクルーズを運行してきているピースボートですが、期間やルートもクルーズごとによって異なってきます。私が乗船した73回のクルーズでは、赤道付近を回るルートで、80日間で19寄港地を巡りましたが、別のクルーズでは北欧を回るルート、中南米を回るルート、北極・南極航路、オーロラを見られるルートなど、毎回異なってくるのでリピーターも多く乗船しています。

期間も80日〜100日前後など変わってくるので、自分のスケジュールや行きたいルートに合わせてクルーズを選ぶのが良いでしょう。

ちなみに私は大学卒業後にピースボートに乗船して地球一周をしたのですが、大学卒業後・休学して乗船する学生さんも何人かいました。約3ヶ月の船旅へ出ることになるので、自分が行きたいルートのクルーズか、タイミングが合う日程のクルーズに乗船するのが良いと思いますが、先延ばしにするより行きたいと思ったタイミングで行くことをおすすめします。地球一周に行きたい、ワクワクする、そう思った感情に従って行動してみましょう!

居酒屋に「地球一周の船旅」のポスターが貼られている理由

居酒屋や街中で見掛ける「地球一周の船旅」と書かれているポスターを見たことがある人もいるのではないでしょうか。では、このポスターがなぜ貼られているかその理由を知っていますか?

ピースボートでは広告費や宣伝費を掛けずにポスターを貼って口コミで広げています。なので居酒屋や街中で貼られているポスターは、過去の乗船者やこれからピースボートに乗船しようとしている人たちが船に乗りたいと想いを込めて貼ったポスターです。1枚のポスターが未来を変えることもあると思うと、夢があって素敵だなと思います。インスピレーションを感じたらぜひ直感のまま動いてみるのも良いのではないでしょうか。

地球一周するための費用

地球一周と聞くとお金がすごく掛かりそうとイメージを持たれるかもしれませんが、私が乗船した73回クルーズは80日間で99万円でした。クルーズごと、部屋の種類によって費用は変わってくるのですが、1番安いのはドミトリーの4人部屋。ホテル代・移動費・食事代・施設利用料が含まれていると考えて、1日約1万円。時期によっては「若者応援キャンペーン」を実施しており、費用がさらに安くなることもあります。(※詳細はHP等でご確認ください)

私が乗船した際の費用も載せておきますので参考にどうぞ。

・乗船費用(窓なし4人部屋):99万円
・諸経費(ビザ代・ポートチャージ代・チップ代):約10万円
・オプショナルツアー代:約4万円
・現地で使ったお金:ドル約10万円・ユーロ約5万円
・船で使ったお金:約2万円
合計費用:約130万円

地球一周が無料で行ける方法

ピースボートに行きたいけど、お金が無くて行けない人のためにピースボート独自の「ボランティアスタッフ制度」が存在します。ボランティアスタッフの業務としては、ポスター貼り作業、内勤作業があり、ポスターは3軒貼って1,000円、内勤作業は働いた時間に応じて船の費用から割引される仕組みです。

1番割引率が高いのがポスター貼りなので、早い人は1ヶ月程で船の費用を全額貯めている人も。99万円だと約3,000枚、129万円だと約4,000枚を貼れば無料で地球一周の船旅ができるということ。なので自分の頑張り次第では無料で地球一周をすることもできます!

ピースボートの乗客にはどんな人がいる?

ピースボートには参加者とスタッフを合わせて約1,000人くらいが乗船しています。ほとんどが日本人ですが、スタッフやクルーには外国人の方もいて、みんな同じ船の中で生活を共にします。年代で分けると6~7割が年配の方で、残りは10~30代の大学生や社会人が多いです。中には夫婦や子供と一緒に乗っている家族もいるので、様々な年代と交流することができるのもピースボートの特徴。

1人参加の人も多いので、1人で参加することに不安を感じなくても大丈夫です!すぐに仲良くなれる環境がピースボートには揃っています。過去に乗船したことがあるリピーターも乗船しているので、船内での過ごし方は聞いてみると良いかもしれませんね!それぞれピースボートに乗る理由は違いますが、地球一周の船旅に出ようと思う似た者同士の集まりなので、価値観が似ている人が多い気がしました。

スポンサーリンク

 

ピースボート乗船編

ピースボートの船内は広くて快適

ここからはピースボートに乗船してみてからの情報を記載していきます。ピースボートの船を間近で見たことがない人は船の大きさがどのくらいか検討がつきにくいかと思いますが、想像していたよりも広くて快適!4〜11階まである船内には、レストランや居酒屋、Bar、プール、美容院、ジム、デッキ、売店など、生活をする上での必要最低限の設備は揃っています。船内がホテルなので、オールをしてBarや居酒屋でお酒を酌み交わしたり、デッキに出て星空を眺めたり、朝早く起きて朝陽を眺めたりと、自分の好きな時間を過ごせますよ。

私のお気に入りの場所はデッキ。夕陽を眺めながら黄昏る時間はとても贅沢で、ボーッと過ごすのにもぴったりの場所。運が良いとイルカやクジラを見ることができるお気に入りスポットです。

地球一周するのに必要な荷物

約3ヶ月の期間で何を持っていくか悩みますよね。バックパッカーの世界一周とピースボートの船旅では荷物も変わってきます。重たい荷物を背負って歩き回ることはないので、要は何でも持って行くことができるということ!船がホテル代わりになるので、寄港地に降りる際は身軽に行動でき、お土産も重さを気にすることなく買うことができます。

私がピースボートに持って行った荷物は衣類や下着類の他、パソコン(初日に壊れました。泣)、カメラ、チェキ、折り紙、トランプ、UNO、DVD、お菓子、カップ麺などの飲食類、パスポート、洗濯用洗剤、ハンガーなど。特に便利だと思ったのはチェキです。現地で知り合った人と一緒にチェキを撮って写真をプレゼントするととても喜んでくれます。これがあれば人気者になれますよ!

4人部屋のドミトリー

さて、肝心の部屋はどうなっているのか気になるところですよね。1番値段が安いのが窓なしの4人部屋のドミドリー。若者は基本的に4人部屋のドミトリーを選びます。部屋割りは事前に友達と一緒の部屋を希望することもできますし、年齢はなるべく近い人同士で固めてくれます。ちなみに部屋のメンバーがどうしても合わないなどがあれば、部屋を変更してくれることもできるそう。

部屋にはベッドが一台ずつあり(部屋によっては3人のところもあります)収納スペースとトイレ、シャワールール、洗面所があります。4人部屋なので快適に生活できるほど広くはありませんが、部屋にいることが少なかった私にとっては寝に帰る場所でした。

毎日専属のクルーがベッドメイキングや掃除に入ってくれて、お金を払えばランドリーもお願いできます。部屋メンバーでご飯を食べに行くことや寄港地を回ること、船内で同じ時間を過ごすこともあるので、1番関わることが多いでしょう。

船内の食事はビュッフェとコーススタイル

食事は乗船費用に含まれているので、基本的に無料で食べられます。(居酒屋やBarは別途費用が掛かります)1日3食+アフターヌーンティーも付いているので、食事に困ることはないでしょう。朝食と昼食はビュッフェ、夕食はビュッフェとコース形式で食事を楽しめるので、船に乗って10kg以上太る人もいました。

実際に船内で出ていたメニューの一部を紹介します。

・朝食(和食・中華)
白米・玄米・おかゆ・お味噌汁・納豆・魚料理・卵料理・漬物、しゅうまいなど

・朝食(洋食)
パン・ホットケーキ・ソーセージ・卵料理・ポテト・ヨーグルト・フルーツなど

・昼食
チャーハン・サラダ・パスタ・ポテト・唐揚げ・サモサ・肉料理・魚料理など

・夕食(ビュッフェ)
牛丼・親子丼・中華丼などの丼もの

・夕食(コース)
サラダ・スープ・肉料理・魚料理・デザートなどの日替わりのメニュー

コースメニューではベジタリアンの人でも食べられるメニューを用意してくれます。また、クルーズで数回フォーマルディナーパーティーがあるのですが、そのときのコース料理は普段より豪華になるので、こちらもいつも楽しみにしていました。

食事は思ったよりも美味しく種類も豊富なので、満足して楽しむことができます。ちなみにレストランのハシゴもできるので、食べ足りなかったら別のレストランに行ってお腹を満たすことも可能ですよ。

ピースボートの船内は毎日が充実

ピースボートでは船内での時間が圧倒的に多いので、船内の充実度によって船旅生活が左右されます。では船内では何をしているかと言うと、水先案内人と呼ばれるゲストが講演会やワークショップを開催、クルーズごとによってイベントが開催されます。

水先案内人には旅人のカリスマ・高橋歩さんやジャーナリストの池上彰さん、CRAZY WEDDINGの創設者・山川咲さんなどの著名人が乗船し、乗客と同じように船内の生活を過ごします。私のときはタレントの乙武洋匡さんが乗船していて講演会を開いていました。とても気さくな方で写真も快く撮らせてくれました。

船内新聞が毎日配られるのですが、乗船者は1日のタイムスケジュールに沿って自分の好きな場所に足を運び自由な時間をそれぞれ過ごすので、アクティブな方は予定が詰まっており、のんびりしたい方は自分の行きたい講演会やイベントに参加するスタイルです。

ピースボートは恋愛に発展しやすい

地球一周、非日常生活、船旅と恋愛要素がたくさん揃っているので、ピースボートでは船マジックが起こりやすいです。毎日同じ場所で同じ時間を過ごすので距離もグッと近くなります。

価値観が似ている人が集まっていることもあり、いつの間にか意気投合して恋愛に発展するケースも多いです。船内では電波が無く不便でもありますが、その不便さが、ある意味恋に落ちやすい要因の一つでもあるかもしれませんね。私は恋愛に発展することはなかったですが、一緒に寄港地を回りながら同じ時間を過ごすことや、デッキで星空を見ながらロマンチックなデートをしたかったなと、今になって思います。ピースボートに乗ってから付き合ったカップルや帰国後付き合って結婚する人も多くいますよ。

船内で行われるイベントは季節ごとによって異なる

ピースボートの船内で行われるイベントは定期的に行われ、クルーズや季節ごとによっても異なってきます。私が乗船したのは春から夏に掛けてのクルーズだったので、夏祭りやロックフェス、七夕郵便局など夏らしいイベントが多く開催されていました。スタッフが用意しているイベントもあれば、乗船者でイベントを作り上げていくこともあります。

船内で1番盛り上がるイベントと言えば、洋上で繰り広げられる運動会。乗船者が一丸となって行う一大イベントです。年代や性別関係なく誕生月ごとに4つのチームに分かれ、各競技ごとの合計得点数によって優勝チームが決まります。

数週間掛けて準備を行うので、乗船者のモチベーションも高く、運動会を通して仲良くなることや絆が生まれることも。大人になってから本気で行う運動会もピースボートならではです!

ピースボート寄港地編

寄港地では自由に過ごせる

ピースボートでのお楽しみといえば寄港地!基本的には自由行動を選ぶかオプショナルツアーを選ぶかのどちらかになりますが、治安が良い場所では自由行動を選んで大丈夫です。治安があまり良くない場所に行く際はオプショナルツアーを選ぶのが良いでしょう。オプショナルツアーには観光地を回るツアーや現地の人と交流するツアーがあります。私は現地で日本語を学んでいる大学生と交流するツアーに参加しましたが、個人の旅行では交流することができない人たちと会うことができて、とても充実した時間を過ごせました。

約20寄港地を巡るのですが、滞在時間は数時間〜長くて2日ほど。意外と滞在時間が短いので場所によっては行きたい観光地に行けないこともしばしば。そんなときは船から離脱してみることをおすすめします。

ピースボートで思い出に残っているエピソード

初海外で地球一周した私には毎日が刺激的でたくさんの思い出が詰まった日々でしたが、特に印象に残った思い出はグアテマラで離脱をしたことです。(正確に言うとトラブルがあって離脱しました)ピースボートは船で次の寄港地に移動するので国境を超える経験をすることがないのですが、離脱することによって自分たちの力でルートを決めて、国境超えをしたことはとても貴重な思い出となっています。

いわゆるバックパッカーが当たり前のように経験することを初めて行ったということ。寄港地やルート、帰船時間も決まっていてある意味自分の好きなように選択することができなかったので、一度は離脱をしてみてはいかがでしょうか。

スポンサーリンク

 

ピースボートから帰国後

ピースボートに乗って世界が広がった

地球一周を通して1番変わったことは、自分の価値観。今まで日本しか知らず狭い世界で生きていた私にとっては船内で過ごす非日常生活や日本の常識が通用しないことへの戸惑い、自分がいかに日本を世界を知らなかったかと思わされる体験をすることができ、今まで見えていた世界が大きく変わっていきました。

違う国で生活をする人たちの価値観に触れ、自分の考え方や常識が良い意味で壊れていきました。乗船する前には想像できなかった未来に今いることも不思議でなりません。

ピースボートにもう一度乗船したい5つの理由

「もう一度ピースボートに乗って地球一周をしたいですか?」と問われると迷わず、はいと言います!ピースボートには魅力が溢れていて、乗った人にしか味わえない経験が待っているので、興味がある人には「ぜひ乗ってください!」と全力でおすすめします。

1,000人で約3ヶ月間生活をする経験も、職業や年代問わずバックグラウンドが違う人たちと交流できる機会も他を探してもなかなか見つかりません。もう一度乗船するとしたら次は未来の家族と一緒に乗って違う船内での楽しみ方をしたいと思います。

ピースボートで地球一周の船旅をしよう

ピースボートで地球一周をして、思い描いていた未来がどんどん変わっていきました。今までにない体験をして、今まで出会ったことない人や見たことのない景色を見て自分の凝り固まった常識や価値観が大きく変わり、乗船する前より様々な視点を持てるようになっていったんです。人生が180度変わったと言っても過言ではないくらい目の前に広がる景色が変わっていきました。

小さな一歩が意識を変え、一つの選択が未来を変える。あのときピースボートに出会っていなかったら私の人生は全く別の未来になっていたかもしれません。もし少しでもピースボートに興味を持っているならまずは資料請求からしてみませんか?その行動が人生を変えることになるかもしれませんよ。

ピースボート地球一周の船旅
無料で資料請求はこちら!

スポンサーリンク

ABOUT ME
RORO
フリーランスのライター。大学卒業後、ピースボートで世界一周の旅に出る。「ソトコトオンライン」で連載記事執筆、「TABIPPO.NET」でイベントレポート執筆・編集を行ったのち、現在はSAGOJOライターとして活動。半農半Xを目指し農ある暮らしを取り入れ中。これまでの経験をもとに「自分らしく生きる」をテーマとしたコンテンツをお届けします。