捨てないパン屋特集

捨てないパン屋さんの旅「モンゴル編」

捨てないパン屋さんこと「ブーランジェリー・ドリアン」の店主・田村陽至さんの投稿に感銘を受けた私は、広島にいる田村さんの元に取材に訪れました。今回はモンゴル編をお届けします。

 

 

田村 陽至(たむら ようじ) 
広島市南区生まれ。北海道や沖縄で山ガイド・環境教育の修行後、モンゴルに2年間滞在し、エコツアーを企画。2004年からパン屋「ドリアン」を経営。2012年に1年間休業してフランスで修行。

 

モンゴルでエコツアーを企画

−−パン屋さんで働く前にモンゴルに住んでいたとお伺いしましたが、モンゴルに住もうと思ったきっかけはあったんですか?

大学生の時にモンゴル語の先生から、「モンゴルの在外公館派遣員として2年間働くJICAの制度があるんだけど、それに行かないか?」と言われました。

 

行きますって言って、周りや親にもモンゴル行くからって言いふらしていたんですけど、別の大学の学生が立候補して勝ち目がなくなってモンゴル行きは無しになりました。

 

卒業してから一瞬パン屋をやったんですけど、結局続かなくて、
沖縄の読谷村で環境に携わっているNPOで働くことになりました。

そこの代表が東京でモンゴル人と知り合って、モンゴルの大学に環境教育学部を設立するという果てしないミッションが立ち上がりました。

いつの間にか自分がモンゴルに行くことになってて、エコツアーをやって、その収益の一部で環境教育学部を作るという話になりました。

 

結局その収益では椅子一つ買えなかったです。モンゴルを舐め過ぎていました。2年目は独立して、ホームステイのアテンドのツアーをやりました。

ホームページを作って、それなりのができたら、そこからお客さんが少しずつ増えて結構人気のツアーになりました。

 

でもちょうど波に乗って来たときにSARSが流行ってしまって、結局その年はモンゴルへの日本人観光客はゼロでした。それで仕方ないから日本に帰ってパン屋で働くことになりました。

 

モンゴルのトイレ事情

−−モンゴルってトイレが外にあるイメージですが、実際そうなんですか?

要は周りが全部トイレってことですよ。

どれだけお腹を壊そうがトイレの心配ゼロですよ。なだらかな丘になっているので、ちょっと歩いたら見えないんですよ。

 

現地の人はどうやっているのかなって思って子供に付いて行ったら石で拭いてるんですよ。真似をしてみると、これが絶妙なんですよ!

すごい乾燥してるから、あらゆる有機物の汚らしさがゼロなんですよ。

 

その辺に転がっている牛とか馬のうんこも素手で触っても、カラカラのウエハースみたいになっているから、食べられるんじゃないかとかって感じるくらいでした。その後に街に帰ると不便さを感じましたね。

 

モンゴルの現状

−−モンゴルって都会もあるんですか?

ウランバートルって首都があって、規模で言うと60万人くらい住んでると思うんですけど、必要なものはギュギュっと詰まっている。去年行ったら違う国みたいになってて、もうバブルです。

 

車で走っていたらどちらかでビルが建設中です。

モンゴル人はそんなに考えないので、お金が入ったら使うんですよ。だからバブルが続きます。

去年行った時は商売で成功した人が伸びていて、もうマンホールチルドレンがいなかったから、やっぱりある程度は富が回っているんだと思いますよ。だいぶ変わっていました。

 

−−モンゴルのイメージがだいぶ変わりました。

すごいのが草原は携帯が繋がるんですよ。

遊牧民とかは馬に乗って止まった時とかに電話していたり。うちの八丁堀店よりも良いです。4Gでも繋がりますから。

 

今は田舎がネット環境が良いので、田舎が直にお客さんを集められるんですよ。逆に都市はスルーするだけで、コンテンツを持っているのは田舎だから、田舎のお金持ちが強くなっています。

大陸だからモンゴルで成功したら次はカザフスタンに会社を建てってワールドワイドになっています。

 

次回はモンゴルのカザフ族と出会った話をお届けします。

ABOUT ME
RORO
フリーランスのライター。大学卒業後、ピースボートで世界一周の旅に出る。「ソトコトオンライン」で連載記事執筆、「TABIPPO.NET」でイベントレポート執筆・編集を行ったのち、現在はSAGOJOライターとして活動。半農半Xを目指し農ある暮らしを取り入れ中。これまでの経験をもとに「自分らしく生きる」をテーマとしたコンテンツをお届けします。